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モバイルギアのRS232Cケーブル(MC-RS1の改造)

モバイルギアのRSケーブルはクロスケーブルであり、 このケーブルにいわゆるクロスアダプタをつないでストレートにしても、 DCD信号が使えないのでちょっと不便です。
このクロスの折返しはケーブルの小さな箱の中で行われているので、 ここを改造すると、DCDも使えるようになります。

注意:結構細かいので、半田付けに慣れている人にしかおすすめしません。 もちろん、適用結果には責任は負いません。

ケーブルについている小さな箱の、 シールのはってある側の長辺を内側に押すようにすると、 箱が開きます。中にはレベル変換用のICが入っており、 概略の回路図は以下のようになります。

 (To MG)         IC      (To Dsub)
GND  P1-1 --GND       GND-- P2-7 (GND)
RxD  P1-2 <--- [24  6] <--- P2-3 (TxD)
TxD  P1-3 ---> [25  5] ---> P2-4 (RxD)
DTR  P1-4 ---> [19 11] -+-> P2-8 (DCD)
                        +-> P2-2 (DSR)
DCD  P1-5 <-+
DSR  P1-6 <-+- [21  9] <--- P2-9 (DTR)
RTS  P1-7 ---> [23  7] ---> P2-6 (CTS)
CTS  P1-8 <--- [22  8] <--- P2-5 (RTS)
???  P1-9 --GND
+5V  P1-10                  P2-10,11,12 n.c.
n.c. P1-11
FG   P1-12--GND       GND-- P2-1 (FG)
ICはLinear TechnologyのLT1330(あるいは互換)が使われており、 こちらのリンク からマニュアルが取得できます。

ちゃんとした回路図はYuzoさんのページ にあります(すごい!)ので、 参照してください。

  1. 用意するもの。細い線(UEWのいちばん細い奴がいいでしょう)。抵抗100Kオーム。 箱を開けます。
  2. P1-5とP1-6の間、および、P2-8とP2-2の間のパターンをカットします。 半田面を見るとすぐにわかると思います。
  3. ICのpin10を跳ね上げます。(そのままではGNDにつながってます。) 基板に近い側をカッターで切るとよいでしょう。 これがDCD入力になります。 出力であるpin20は、跳ね上げなくてもいいですが、 跳ね上げたほうが半田付けはラクです。
  4. P1-5と3.3V電源線の間に100Kオームを半田付けします。 3.3V線は、半田面R13のR側のパターンです。 結構いろんなところにつながってますので、やりやすいところでいいですが、 R12の内側がラクですね。
  5. P2-2とICpin10を接続します。
  6. P1-5とICpin20を接続します。P1-5は今つけた抵抗にもつながります。
    ※写真ではpin18にも何かつながってますが、 これはRIを探ろうとして失敗したものの名残りです。 RI信号はモバギから出てきていないようです。
以上です。この作業が済むと、結線は以下のようになります。
 (To MG)         IC      (To Dsub)
GND  P1-1 --GND       GND-- P2-7 (GND)
RxD  P1-2 <--- [24  6] <--- P2-3
TxD  P1-3 ---> [25  5] ---> P2-4
DTR  P1-4 ---> [19 11] ---> P2-8
DCD  P1-5 <--- [20 10] <--- P2-2
DSR  P1-6 <--- [21  9] <--- P2-9
RTS  P1-7 ---> [23  7] ---> P2-6
CTS  P1-8 <--- [22  8] <--- P2-5
???  P1-9 --GND
+5V  P1-10                  P2-10,11,12 n.c.
n.c. P1-11
FG   P1-12--GND       GND-- P2-1 (FG)
あとは、DSub側をストレートになるように、コネクタにあわせて接続してください。 P2-2とP2-8は注意して下さい。P2-2は改造前はDSRでしたが改造後はDCDに、 P2-8は改造前はDCDでしたが改造後はDTRになります。 私は、小さな箱自体にDSub9ピンをエポキシで固めてしまいました。

モバイルギア本体に接続する前に、 最低でも+5VとGNDがショートしていないかぐらいはチェックしてください。

注意:モバイルギアのBIOS経由でRS232Cをアクセスすると、 CTSやDSRが無条件にイネーブルになります。 (RTSやDTRの出力側は不明) これはBIOS内部(v42?)でマスクしているためであり、 直接ハードウェアをアクセスした場合は大丈夫なようです。