本物の鍵による個人認証 (98-11-4)

コンピュータを使ったりソフトを動かす場合に必要な個人認証。
いまはほとんどキーボードによるユーザ名とパスワード入力で、 確かにお手軽なんだけどパスワードが知られると誰でもログインできる。
かといって指紋や虹彩模様だと、装置が大掛かりになってお金がかかる。
そして、上記の両方共、一時的にせよ人に貸せない。 指紋や虹彩のような高度なセキュリティが必要され、 それなりの管理費用が発生してもかまわない場合は、 認証システム側の方に代理機能を作り込めばいいけど、 マシンの個人認証程度でそれは面倒。

で、ICカード。キーボードに併設されたICカードリーダで認証し、 電波による無線ICカードだと「かざす」だけで認証できてかっこいいんだけど、

というような問題点がある。 特に、ICカードを持つ人が自分のICカードをコピーできない。 そのようなセキュリティが要求される場面ではそれでもいいが、 お手軽にコピーできないことは面倒な場面の方が多いと思う。

で、鍵。そう、ここでいう鍵とは、あなたも持っている、本物の鍵、である。 この鍵リーダをキーボードに併設し、マシンを使いたい人は、 その鍵リーダに鍵を差し込んで鍵を廻し個人認証を行うようにすればどうだろう。 ここでいう鍵は、鍵と鍵穴が合えば廻してキーボードが使えるというタイプではなく、 鍵の形状を読み取り、それを数値化し、認証情報として使うものである。 つまり、その鍵穴には、その種類の鍵ならば何でも入れることができるのである。

鍵ならば誰でも持っているため、1つぐらい増えてもどうってことない。 もちろん人に貸せる。そして、必要とならばミスターミニットでコピーもできる。 そしてなにより、鍵のアナロジーが非常にわかりやすい。

鍵穴の構造としては、2次元のセンサは必要ではなく、 入り口での1次元センサと鍵が差し込まれた深さがわかるセンサを設置し、 鍵を差し込んでいくときに順次読み取ればいいのでそれほど高価にはならないと思う。 それなら鍵を廻す必要はないと思われるかもしれないが、 ボール紙でコピーされた時に鍵穴が廻せないようにするための配慮である。

鍵自体をどうするか。もちろんそういう鍵だけの販売があるだろうし、 ミスターミニットで「適当に」作ってもらってそれをシステムに登録するのでもいい。 あるいは、家の「鍵」をそのまま登録できるのもいいかもしれない。 断面が の鍵は安価なため、 多くの鍵に使われており、ちょうどいいと思う。

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