自宅のサーバ、今まではAcerのH340にDQ77KBを乗せて動かしていましたが、 世の中ではマイクロサーバが流行っているらしいので、早速導入してみました。 せっかくだからHPのではなくて、DELLの8スレッドモデルです。 自宅に8スレッドのCPUなんていらないだろうって?いや、1スレッドでもこんなんなんです。

注意:もちろんネタです。パーソナルクラウドサーバ。

「でも大きいんでしょう?」
Sledのサイズは44mm×125mm×612mmで、幅はほぼ1Uです。 それを8本積める筐体は3Uのラックサイズ、かといって自宅にラックなんて置けるはずもありません。 このDELL C5220はそんなご家庭での調査結果に基づき、耳がネジではずれ、側面はでっぱりがなく平らになっており、 縦置きもできるようになってます。 1Uや2Uと違い簡単に自立しますし、キャスター台に載せれば移動もかんたんですが、お子様の遊具にならないように注意しましょう。

「でも消費電力が大きいんでしょう?」
E3-1220L(TDP20W)で2×7200rpmなHDD構成の1sledの実測値は、 アイドルで25VA、動作中でも37VA、電源OFF時には3VAでした。 でも筐体が常時62VA喰ってたりします。筐体起動時にファンがぶん廻ると200VA近く消費します。 ちなみにVAなのは電源200Vをクランプメータ測定だからでして、 エアコンの配線が使えるのでご家庭にぴったり。 PS-2112-2L等に差し替えれば100Vで起動はすると思われますが、 電源ファンの風の流れが逆なので注意。

IDファンテーブルboardCPUViking
1MIX003.xml254未実装/混載時
2S81D002.xml0C5120?Dragon
3S81V804.xml1C5125(Phenom II?)Quark
4S81V204.xml2C5125(Athron II?)Quark PEC
5S81K007.xml3C5220(E3 V1/V2)Kraken
6S81S002.xml4C5230(E3 V3)Slingshot
「でもうるさいんでしょう?」
バックプレーンには電源供給とH8S制御によるファン機能とBMC LAN用のハブ機能だけがあり、いわゆるシステム管理機能はありませんし、 ファンも各ファンの吸入温度で回転数が決まるという単純なものです。 全体の消費電力の測定機能もあり、IPMBを通じて各ボードのBMCに通知されます。 この値は上での実測値とほぼ同じでした。
ファームアップデートに含まれるvkutl.exeを実行するとヘルプが出力され、vkutl fan read 2 fan2.xml等でファンテーブルを読み出せるので、 xmlファイルを書き換えて静かにできます。 DB番地は子バージョン、チェックサムはバイナリ化したテーブルのほうの00~E9のバイト和の2の補数ワードですが自動計算されるようです。

C204なのでECC必須ですが、ECCなのにIERRを吐くメモリがあって、 SPDを見てみると自分の会社コードのパリティ間違ってる。 ADTECあのなあ、って思ったけどBuffaloのも間違ってたり。 R120a1+Win10x64+SPDToolで書き換え完了。


C5220は単体での能力や冗長性を落とす代わりに大量かつ安価にスケールアウトするサーバですが、 対極をなすサーバとしてC6145があります。 Opteron G34を4CPU最大64コア、32DIMM最大1TBに対応したマザーを2Uで2つ積め、 メモリ喰いで集中的なワークロードに適したサーバになっています。 DELL製品なのに見た目やドライブ部分の構造などネジ位置違えどDL180G6にそっくりで、 2.5インチマウンタもHPのG6/G7と同じものが使えたりします。 おそらく両マシンともInventecのOEMでしょう。 メザニンカードは上記Quanta製のC5220と互換性があります。 もっとも向きが逆なのでSASカード以外は使えませんけど。

ただ電気喰いは半端なく、6172x4のマザー1枚でもアイドル300W、100%だと600W消費します。 マザー2枚にすると電源1つでは電力不足なため、片系落ちるとCPUクロックが制限されます。 ファンコントローラ基板のJ2を適当にジャンパすると、若干ファン回転数を抑えることができます。 また、2.5インチはノードごと12HDDの割り当てですが、expanderのファーム書き換え(自作でしたが c6220 zoning configuration utilityが公式で公開)で割り当てを変更できます。

PCIe slot1/2を使わなければCPUは1つでも稼動しますし、メモリを抱えていないCPUでも動作します。 このあたりの柔軟性やPCIeがたくさん取れるチップセットはかなり出来がいいですが、 いろいろ妙な制約があります。 このクラウド用のサーバC6145、通常のサーバにはない利点があります。 それは、PCIeカードやメモリがいじりやすいこと。 デスクトップサーバはもちろん、ラックサーバでもスライドレールじゃないと筐体を出しづらいですし、 出してもカバーを取らないと増設できません。 しかしC6145は筐体からマザーボードを簡単に引き出せるため、実験君や動作確認を行うのにもってこいなのです。 CPUはかなりがっかりな感じになっちゃいましたが・・・