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インターネットメールの設定

MK22/ドコモバにおける、 インターネットメールの設定方法についてまとめてみました。

通信設定画面

通信設定の画面は次のようになっています。
回線設定(画面右上)
こちら側、つまり、モバイルギア側のモデムとか、 PDCとかの設定を行ないます。 設定自体はマシン内に複数持てますが、選択して使用されるのは1つだけです。
接続先設定(画面右下)
これは、接続する先、相手側の設定を行ないます。 これも複数設定することが可能です。
通信環境設定(画面左側)
これは、上記の回線設定と接続先設定を結び付けて、 簡単に切替えられるようにしただけです。 慣れるまではこの項目は変更せずに、 画面右側の項目を変更すれば事は足ります。
上記のことを理解すれば、やり方は簡単です。

・「PCカードモデムを使いたい」…こちら側の設定なので、回線設定を追加
・「別のプロバイダも接続したい」…相手側の設定なので、接続先設定を追加

では、インターネットの接続先を設定してみます。

接続先名にカーソルを合わせても、「リターンキー」を押さないでください。 「リターン」キーは、[接続選択][接続追加][接続変更]のショートカットであり、 どれになるかわかりにくいので、お勧めしません。 ファンクションキーで指示します。

[接続選択]
モバイルギア内に登録してある、接続先設定のうちから、 使用するものを選択します。
[接続追加]
新たな接続先設定を追加します。登録が終ると、上記の[接続選択]キーで、 選択できます。追加はいくつでもできます。
[接続変更]
現在選択されている接続先設定の中身を変更します。 つまり、以前の内容は失われます。
今の設定をコピーして変更
[接続選択]→[接続複製]を押します。 コピーすると、接続先名が同じものになってしまいますので、 [名前変更]で名前を変更しておきましょう。
接続先設定を削除
[接続選択]→[接続削除]します。
[名前変更]
接続先を追加するとデフォルトで電話番号が接続先名になりますが、 わかりにくい時は変更しましょう。 表示上の名前が変わるだけで、設定の中身はそのままです。
接続先設定を1つのファイルだと思うとわかりやすいです。 ファイルを追加したり、編集したり、名前を変えたり…。 これらの事項は回線設定に対しても同じように適用されます。

接続先設定画面 (インターネット)

接続先設定画面には、標準設定、拡張設定、拡張設定2ページ目と、 計3ページあります。 拡張設定の2ページ目は、拡張設定画面で次頁キーを押すと現れます。 項目を羅列すると以下のようになっています。 上記の項目には、省略した場合のデフォルト値が決められています。 IDやパスワードの項目を省略すると、通信設定画面でのID設定が用いられます。

どの項目が何が何だかわかりませんね。 では、実際に、メール送信や、メール受信を行なった時に、 モバイルギアが各項目をどのように使うのか、を見てみましょう。

メール送信時

  1. まず、モデムや携帯電話で電話をかけます。 回線設定、[電話番号]、[モデム設定]が用いられます。
  2. 接続すると、[オートログインコマンド]により、 テキストベースのログイン手順が実行されます。 UNIXタイプのログインをしたい場合や、NIFTY経由でPPP利用したい場合には、 このオートログインコマンドに記述します。
  3. 次に、PPPを起動します。
    PPPプロトコルとは、TCPIPプロトコルの下位層に位置するプロトコルです。 TCPIPプロトコルでは、IPアドレスを指定することにより、 インターネット上のいろいろなコンピュータと通信が行なえます。 が、モデムとかでまず接続されるのは接続した相手先コンピュータただ一台です。 この、相手先一台との接続(Point to Point接続)の上にTCPIPを通し、 いろいろなのコンピュータと接続するためにPPPプロトコルがあります。
  4. [認証有効]になっている場合、 [認証方式]のPAPまたはCHAPに従い、 相手先つまりPPPサーバへ[認証ID]と[認証パスワード]を送り、認証します。
    PAPは、クリアテキスト認証とも呼ばれ、単純にIDとパスワードを送ります。
    CHAPは、認証は暗号化されており、電話回線を盗聴してもパスワードは明らかになりません。 CHAPはその一方向関数によりいくつかの種類があります。 モバイルギアはMD5のようであり、 マイクロソフトのMS-CHAPとは互換性がありません。
  5. [自局IPアドレス固定]でない場合、PPPサーバから自局IPアドレスを取得します。 固定した場合は、[自局IPアドレス]、[自局サブネットマスク]が用いられます。 通常のプロバイダではプロバイダ割り付けの自局IPアドレスを用いますので、 この項目は設定しません。
  6. 以上でPPPリンクが確立します。 以後の接続は、PPPプロトコル上のTCPIPプロトコルにより、 インターネット上のコンピュータと行なわれます。
  7. [SMTPサーバアドレス]を、IPアドレスに変換します。 [SMTPサーバアドレス]は、名前形式とIPアドレス形式の、 どちらの形式でも指定できます。
    smtp-tk.hoehoe.ne.jp名前形式
    192 168 12 34IPアドレス形式(空白で区切る)
  8. 名前形式で指定された場合、 DNSを利用して、この名前形式のものをIPアドレスに変換します。 その場合、[DNS有効]でなければなりません。
    名前がドメイン名を含まない場合には、 まず後ろに[DNSドメイン名]が付加されます。 次に、その名前を[DNSサーバアドレス]のDNSサーバに問い合わせ、 IPアドレスを得ます。
    smtp-tk → smtp-tk.hoehoe.ne.jp → 192 168 12 34
    [DNSサーバアドレス]自体はもちろんIPアドレス形式で入力する必要があります。
    [DNSサーバアドレス]のDNSサーバから回答が得られない場合は、 [DNSサーバアドレス2]のDNSサーバに対し同様な問い合わせを行ないます。
  9. このようにして得られた、SMTPサーバのIPアドレスへ接続し、 送信メールを送ります。
    送信メールの差出人を、
    From [メールID]@[メールドメイン名]
    としてメールを送信します。 この差出人アドレスは、 このメールを受けとった人が返事を書いた時の宛先になります。
    SMTPサーバには認証の概念がありませんので、メールパスワードは使われません。
  10. メール送信が終了すると、SMTP接続切断、PPP切断を行ない、 最後に電話を切っておしまいです。

メール受信時

メール受信時は、1〜8までは同一です。 但し、7.のIPアドレスへの変換は[POPサーバアドレス]になります。
  1. 得られたPOPサーバのアドレスへ接続し、 [メールID]、[メールパスワード]を使ってPOPサーバへログイン(認証)します。
  2. 認証に成功すると、POPサーバが持っているメールの一覧を取得し、 POPサーバが持っているすべてのメールを取得します。 但し、メール設定に従い、サイズが大きいメールを受信しなかったりします。
  3. 受信したメールは、メール設定に従い、POPサーバから削除したりします。
  4. メール受信が終了すると、POP接続切断、PPP切断を行ない、 最後に電話を切っておしまいです。

インターネットメールに関する Q and A

Q.メール設定画面の受信対象に未読メールのみを指定したのに、 全部受信されてしまうのですが…

A.POPメールサーバには、既読未読の区別はありません。 メールがあるか、ないかだけです。 POPプロトコルは郵便受けにある手紙を見に行くプロトコルであり、 その郵便受けから手紙を取ってくる(受信後削除)か、 手紙の内容をコピーして手紙をそのままにしておくこと(受信)しかできません。 そのため、POPサーバにメールを残す設定をしておくと、 次にもう一度メールを取得すると、同じメールが再び受信されます。
メール設定画面の受信対象の項目は、NIFTYとかPCVANのためにあります。

で、どうしようもないのですが、 モバイルギア受信専用のメールアカウントを利用する手があります。 つまり、 本当のメールアカウントからモバ用アカウントへメールを複写転送し、 地上側のメーラは本当のアカウントに接続し、 モバイルギア側ではモバ用アカウントで受信後削除にしておけば、 モバイルギアで受信したメールも、地上側で再び受信できます。 複写転送の設定は、UNIX系(sendmail)なら .forwardファイルに、
\myaccount, mobaaccount@mokeke.ne.jp
と記述します。 MS Exchangeなら転送先を示すカスタム受信者を作成し、 代理受信者を設定します。Notes? 知りません。
なお、モバイルギアで受信しないと、 モバ用アカウントにどんどんメールが溜ってしまいますので、 モバイルギアを利用しない期間が長くなる場合は、 時々地上からモバ用アカウントに接続してメールを削除しておきます。

MK32では、POPサーバ内のメールとモバイルギア内のメールを比較することにより、 一度受信したメールを再び受信しないことが可能となっています。 ただし、この機能を使うためには、POPサーバがUIDL (受信メール一通一通に固有の文字列を振る機能)に対応していることが必要です。 たいていのプロバイダのPOPサーバはこの機能を持っています。

Q.ドコモバの場合、上記のモバ用メールサーバに10円メールサーバを利用すると良さそうなんですが、何か問題ありますか?

A. 10円メールは、インターネットメールとは動作が異なり、未読管理をしています。 そのため、一度受信したメールは削除されたように見えますが、 実際には削除されておらず、そのまま放っておくと容量課金されます。
訂正: 容量課金されなくなったそうです。
ドコモバから10円メールの機能でメールを削除することはできません。 地上から時々MasternetのPOPサーバに接続して、 メールを削除しておく必要があります。

(もちろんインターネットメールの機能で ドコモバから接続してMasternetのメールを削除することもできますが、 それでは10円メールの意味はないでしょう。 この10円メールの明らかにひどい点は、 最近の10円メール機種では改善されています。 ドコモバ2が出れば改善されているでしょう。)

もっとも良い解決法は、本当のメールアカウントにコピーを残さずに、 すべてをMasternetに転送してしまい、地上の受信もMasternetのPOPサーバで行ない、 ドコモバからの受信も10円メールを利用することです。 他プロバイダ経由でのMasternetのPOPサーバへの接続は Masternetに対しては課金が発生しませんし、 10円メールで先に受信してしまったものでも地上で受信できますし、 地上で先に受信したものは10円メールでは受信せずに済みますので、 かなり使いやすくなります。

10円メールでの送信は、 差出人アドレスが必ずMasternetのものになってしまいますし、 ドコモバからは差出人名も設定できませんので、お勧めしません。 送信は、ドコモバからも地上からも、 本当のアカウントのSMTPサーバ経由で行ないましょう。

なお、10円メール設定と、インターネットメール設定は全く独立しており、 ドコモバ内部でのプログラムも分離されています。

Q.メールエイリアス(メール転送サービス)を使ってます。 そのため、メールの送信時には差出人をエイリアス名にしたいのですが、 こうするとメールが受信できません。どうすればいいですか?

A.上記のように、[メールID]の項目は、 メール送信時とメール受信時で別々の意味で用いられます。
メール送信時差出人メールアドレスの前半
メール受信時POPサーバの認証IDとして
POPサーバで認証が成功するためには、 認証IDとしてプロバイダで指定されたもの(POPサーバユーザID等)を 用いる必要があります。 そのため、メールを出す時に差出人にエイリアスのアドレスを使いたい場合は、 送信用と受信用の2つの接続先設定を作成し、 メールを送信したり受信したりする前に切替える必要があります。
送信用の設定では、[メールID]にはエイリアスを入力し、 受信用の設定では、[メールID]にはプロバイダ指定のものを記述します。

プロバイダが提供しているエイリアスサービスの場合は問題ないのですが、 いわゆるメール転送サービスの場合には、[SMTPサーバアドレス]は、 プロバイダのものではなく、メール転送サービス先のものを指定するのが普通です。 SMTPプロトコルは郵便ポストのようなものであり、認証の概念がないため、 実は世界中のどのSMTPサーバを指定しても本質的には問題はないのですが、 最近、SPAMメール(迷惑メール)対策のため、 このような組織外からのメールをはじくようになっています。 組織内か組織外かの判断はメール差出人や自局IPアドレスなどが用いられており、 制限もプロバイダによって異なります。

Q.添付ファイルは扱えないのですか?

A.いわゆるMIME-Multipart形式 (最近のメーラで用いられている添付ファイルの形式)は扱えません。 モバイルギア独自形式のメールを作成することにより、 モバイルギアでバイナリファイルを受信して、 画像を見たり、登録ソフトに登録したりできます。 独自形式と言っても本質はuuencodeです。方法についてはこちらをどうぞ。

MK32ではMIME形式の添付ファイル付きメールを扱えるようになっています。

Q.差出人の名前を入れたいのですが…

A.[メールドメイン名]の項目に、
hoehoe.ne.jp (Mokeke Goshogawara)
のように、メールドメイン名の後にスペース、括弧、名前、括弧閉じるで 名前を設定します。 すべて半角で指定します。漢字や半角カタカナは使えませんが、 MIME形式で指定すると指定できます。 SMTPサーバによってはうまくいかないこともあります。 10円メールでは指定できません。